多重債務者となっており、これ以上生活をしていくのが困難な状況になると債務整理を検討します。
最も好都合なのは究極の債務整理といわれる自己破産で、この場合にはすべての債務が免責され人生をやり直すことができます。
本来であれば、自己破産を第一に検討したいのですが、保証人付きの債務がある場合には話が異なってきます。

保証人が付いている場合には、自己破産により借金が免責されると、保証人のついている借金については、保証人の債務となってしまい多大な迷惑をかけることになるのです。

この場合に検討されるのが任意整理です。
これは、債務整理の中でも非常に自由度が高い方法で、その名の通りに任意で整理する債務を選ぶことができます。
つまり、保証人のついている借金についてはそのまま残して、それ以外の借金の減額や金利減免などについて直接に金融機関と交渉を行います。
残した債務については、そのまま今まで通りに毎月の返済を続けていく限りは問題なく利用できます。

このように、保証人などが付いているケースでよく利用される任意整理ですが、他にもいくつかのメリットがあります。
まず、自己破産や個人再生のように裁判所を経由しませんので、その事実が官報に掲載されることがありません。
官報の場合には、その事実が10年間保存されますので、その間は金融機関などにチェックされると債務整理していた事実が知られてしまいます。
つまり、10年間はカードローンやクレジットカードのみならず、住宅ローン時に審査でも不利に働くことになります。
任意整理の場合には、個人信用情報に記録が残りますが5~6年で記録は削除されます。

また、任意整理は手続きが簡単なため、必ずしも弁護士や司法書士などの専門家に依頼する必要はなく自分で行うこともできます。
この場合にはコストを抑えることができます。
ただし、金額が大きいケースや示談交渉が必要な場合には、結局は弁護士などの専門家が交渉したほうが安上がりとなります。

さらに、最近テレビCMなどでよく見かける過払い金返還請求も任意整理に含まれます。
これは、利息制限法に基づいて支払い過ぎていたお金の返還を請求するものです。
過払い金返還請求は、既に完済済みのケースや過払い金で借金がゼロになる場合には個人信用情報にも記録が残りません。
ただし、過払い金返還請求で払いすぎていたお金が戻ってきても借金残高が残る場合には、個人信用情報に記録が残ることになりますので注意が必要です。