自己破産は免責が認められれば債務の返済義務がなくなるメリットがありますが、デメリットも大きいです。
手続きを行うと、時価20万円を超える財産と99万円を超える現金については処分しなければなりません。
家具などの生活必需品は処分対象から外されますが、自宅は処分対象になります。

そのため、自宅を手放すことになります。
自動車についても同様ですが、古い車で査定額が20万円を下回っていれば処分されません。
通院などで車が必須な場合も、申請して認められれば手元に残すことができます。
なお、処分の対象になる財産は自己破産した本人のものだけになります。
例えば自宅の名義が夫で妻が自己破産する場合は自宅を手放す必要はありません。
しかし、これを悪用して手続きの前に名義変更を行った場合、財産隠しになり、免責されなくなってしまうので、絶対にやってはいけません。
また、前述の例でも夫が妻の借金の連帯保証人になっていた場合、夫に免責される借金の返済義務が発生するため、夫が返済できないのであれば同時に破産することになり、自宅を手放すことになります。
もし自宅が持家ではなくアパートなどの借家だった場合にどうなるかというと、当然ながら自分の財産ではないので処分対象にはなりません。
また、アパートを追い出されるということもありません。

その他のデメリットとして、該当する職業に関係がなければ全く影響しませんが、手続きをしてから免責が決まるまでの期間は一定の職業に就けなくなる、資格制限があります。
この職業についていた場合、職を失うことになります。
また、個人信用情報機関に異動情報が記録されるため、以後5年間はクレジットカードやローンの利用が困難になります。
一般の人が見るものではありませんが、誰でも参照できる官報にも掲載され、これを見て闇金融などがダイレクトメールを送ってくるので利用しないように注意します。

連帯保証人がいる借金があった場合にも問題になります。
自己破産の場合、整理の対象は全ての債務となり、保証人のいる債務だけ除外して手続きはできません。
例えばクレジットカードのショッピング枠を債務と思わずに申請から漏れたなど、故意でなければ理解してもらえますが、故意に特定の債務を除外すると債権者にとって不公平となるため、免責が認められなくなります。
保証人は自分の保証した債務に関しては返済の義務があり、通常は一括で返済しなければなりません。
これができない場合、保証人も債務整理することになります。
そのため、保証人がいる場合には無断で手続きを行わずに、事情を話して謝罪してから行うべきでしょう。